みなさまこんにちは!!テニス大好き飯田です。
今回も事業所からの質問について記載したいと思います。
【来客もなく、他に行う業務もないので早く上がるように会社からの指示があった場合、早上がりした時間分は働いていないのだから給与から早退した分の賃金を控除してもよいのか?との質問がありました。】
「会社の都合」で早上がりをさせた場合は、早退分の控除ではなく、休業手当の支払いが必要になる場合があります。
労基法では会社都合で労働者が休業をした場合には平均賃金の60%以上を休業手当として支払わなければならないとされています。そしてこの「休業」は、丸1日だけではなく、1日の一部を休業した場合も含まれるとされていますので「早上がり」も法的には休業の一種となります。
たとえば、1日あたりの賃金が8,000円で1日の所定労働時間が8時間の人が早上がりをしたとします。なお、この人の平均賃金は8,000円×60%=4,800円とします。1時間だけ早上がりをした場合は、実労働時間は7時間で、この日の賃金は7,000円が支払われるので、4,800円を上回っており、休業手当の支払は必要ありません。4時間早上がりをした場合は、実労働時間は4時間で、この日の賃金は4,000円しか支払われず、4,800円を下回るので、会社は800円の休業手当を支払う必要があるということになります。
また「会社の都合」の範囲がどこまでなのか、の解釈でよく問題になるのは台風などの自然災害の場合ですが、猛烈な台風が直撃することがほぼ確実で、交通機関が止まり、定時まで勤務したら明らかに労働者に危険が及ぶ可能性があるという場合は、不可抗力であり「会社の都合」ではないので休業手当の支払は必要ありません。
労働者への危険が差し迫っているとまでは言えないが念のために早く帰宅させるとか、「悪天候で来客も無いだろうから早めに店じまいをする」というような場合は、不可抗力による早上がりとまでは言えないので休業手当の支払いが必要となる可能性が高いと考えられます。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さんにとって、素敵な一日になりますように!!